制作 : YOSHI-SystemService実験に使うパソコン
実験に使うパソコン
パソコンの内蔵時計が合っていないといろいろな問題が起こるのだが、あまり知られていないように思う。
そこで、今回は実際に極端にずらして検証してみる。
使用するPCはフロンティア神代の製品で、マザーボードに VIA KM400 を使用した物である。
Windows XP SP3 RC を使用
OSは Windows XP SP3 RC v3264 、CPUはDuron 1.6GHz メモリ1024MB(VRAM 64MB共用) である。
フロンティア神代からはデバイスドライバが入手できなかったので、VIAのサイトよりチップセットドライバなどを手に入れて適用してある。
時刻を22世紀に変更してみる
不具合が次々発生
AVG Free 7.5 が強制終了
時刻を2101年に変えたとたんに、AVG Free 7.5が強制終了した。
Outlook Express 6で警告が出る
POP over SSL あるいは SMTP over SSL を使用していると、「必要な証明書の有効期限が過ぎています」という警告が出る。
「OK」を押して続行すればメールの送受信はできた。
SSLを使用しないPOPアクセスならば、時計がずれていても問題なく送受信できた。
Yahoo JAPAN にSSLでログインできない
https(SSL)でログインしようとすると、クッキーの設定は有効なのに、クッキーに関するエラーが出てログインできない。
クッキーには有効期限がある
保存されるクッキーには有効期限があり、パソコンがこの有効期限を超えてしまうと正しく処理できずログインできなくなる。
証明書の有効期限
暗号化通信を行うためのサーバー証明書には必ず有効期限が定められており、パソコンの内蔵時計がずれていると証明書が正しく検証できずエラーとなる。
WindowsUpdateできない
エラーコード 0x80248015 でWindowsUpdateができない。
WindowsMessengerでログインできない
「サービスが一時的に利用不可のため」と出て、WindowsMessengerにログインできない。
時刻の自動調整ができない
「往復の遅延が長すぎます」と出て、WindowsXPの内蔵時計の自動調整機能が働かない。
MediaPlayerが起動しない
「年が2103年に設定されています。この設定では Windows Media Player が応答しなくなります」と出て、MediaPlayerが起動しない。
iTunesが起動しない
「問題が発生したため、iTunesを終了します」と出て、iTunesが起動しない。
出来事の前後関係がわからない
秀丸メールでは表示順序が不自然になる
秀丸メールでは、日付は Dateヘッダ の値がそのまま使用されるようで、極端にずれた値がそのまま表示される。
Outlook Express 6では正しい順序で表示
Windows XP SP3 の Outlook Express 6 では「受信日時」はDateヘッダの内容ではなく、サーバー上の受信日時が使用されるようで、正しく表示される。
しかし、メールのプロパティで表示される送信日時はそのままなので、送信日時の方が未来であるというありえない表示となる、
システムの復元
システムの復元をする際、どちらが新しいのかわからなくなり大混乱する。
イベントログ
イベントログの内容は不具合の原因究明に大変役に立つのだが、日付を何度も変えていると、いったいいつの出来事なのか分からなくなってしまう。
ファイルの更新日時
本当はどれが一番新しいのかわからなくなる。
問題なく使えるもの
SSLを使用しなければログインできる
SSLを使用しなければ日付が極端にずれていてもログインはできるようだ。
送受信時の日付はYahooのサーバーの値が使用されるので、時計がずれていても問題は起きない。
LiveUpdateも問題なし
日付が極端にずれているのに、何の問題も起こらず動作している。
結論
- 時計のずれは数分以内であれば特に問題は起こらないが、数分以上になるとメールの送信受信日時の前後関係に混乱が起こり始め、数時間ずれるとウェブサイトの閲覧に支障が出始め、年単位でずれているとサーバー証明書に関するエラーが起き、年十年もずれているとマイクロソフト製のソフトでも不具合が頻発することがわかった。
AVG Free 7.5 は時刻が極端にずれているとエラーで止まってしまったが、Norton Internet Security 2008 はずれていても問題は起きなかった。
今回は無線LANについては検証してないが、暗号化にWPAを使用している場合、影響する可能性が高いので注意が必要だろう。
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